地域の未来は地域住民自身がつくる

※集落センターで自治会長さんとともに

8日の立候補の表明から暫くして、旧温海町の山間部の集落に伺った。

集落センターを訪問すると、雪囲いを取り外す作業が終盤に差しかかっていた。作業を終えた方々が、センターの一室に集まってくれた。皆、10月に向かって挑戦する決意を固めた私の話に興味津々だった。

この集落は、人口約300人、世帯数約80戸で、周辺の集落よりも比較的規模の大きな集落だ。しかしながら、10年前と比較すると人口では約16%、世帯数では約7%減少しており、高齢世帯や空き家の増加などが課題になっていた。

こうした状況の下で、集落では、中学生以上の住民にアンケートを行い、地域がどのような課題を抱えているのか調査を行った。更に住民が参画するワークショップを開催し、自由に意見を出し合いながら、①屋根の雪下ろし・除雪の支えあいの仕組みづくり、②集落の魅力の情報発信、③在来作物のブランド化、④先人の技と知恵の継承、などを取組み目標とする集落の「活性化ビジョン」を取りまとめている。この「活性化ビジョン」には、年次別の行動計画まで含まれていた。

「活性化ビジョン」の策定には市職員も参画していたが、あくまでも集落の一員としての参画であり、集落の住民自らが立ち上がり、まとめたものとなっている。

地域の未来は誰がつくるのだろうか。それは地域住民自身に他ならない。合併から11年が経過し、旧鶴岡市と旧町村との関係が、当初描いたものとはなっていないとの指摘がある。住民に身近な行政サービスを提供するという観点からは、旧町村の権限と財源が不十分だという課題もある。そうした大きな枠組みの議論ととともに、意欲ある集落、地域の動きを後押しすることの重要性、行政の大事な役割はそこにあるということを改めて考えさせられた訪問だった。