ホスピタリティを考える 

※暖かい笑いに包まれたエプロンシアターの様子

先日あるイベントに参加した時のこと。
玄関で、目の不自由な女性が杖を使い、慎重に進行方向を探しているのを見かけた。
「どちらまで?」と尋ねると、私が参加するイベントと同じ場所へ行きたいのだと言う。
イベントの開始時間までは少し時間があった。その時間を利用してお弁当を食べるので、「施設の中に適当な場所はないか」と尋ねられた。施設の管理人らしき人に確認すると「この施設は予約制なので、部屋の予約をしていなければ飲食はできません」ときっぱり。

私は、「そうですか」とだけ答え、女性を3階のイベント会場までご案内することとした。女性は時々施設の1階を訪れることがあるそうだが、3階は利用したことがなかったそうだ。右腕につかまった女性と歩きながら、目の不自由な方が3階に向かうのは大変なのだなと感じた。3階に到着すると、イベントの準備控室が空いていたので、女性にはそこで食事をしてもらうことにした。

また、先日、私の記者会見の前にこんなこともあった。記者会見のプレスリリースを市役所内の記者クラブに届けてもらおうと私の友人に頼んだところ、友人は市役所の職員に資料を持ち込んだのだそうだ。友人は職員から「市役所では対応できません」と言われ、一旦引き返している。友人が仕組みを知らなかったと言えばそれまでなのだが、市役所内に記者クラブがあり、そこに行くべきであることを教えてくれれば良かったのだが。

ホスピタリティ。ちょっとした気遣いとおもてなしの心。構造的な問題であれば是正するのに時間がかかるが、ほんのちょっとの心がけで、お互い気持ちよく過ごせることも多いように思う。市民目線で市民のために働くということは、日々の小さなことの積み重ねでもある。

女性と見たイベントのエプロンシアターは子どもから大人までを魅了する動きが行き届いていた。