不偏不党の鶴岡市役所へ、その原点回帰を願って
鶴岡市民の皆様、そして鶴岡市役所の皆様へ
令和7年9月28日に告示され、10月5日に執行されたこの度の鶴岡市長選挙の結果を受け、後は静かに退任するのみ、と考えていました。
しかし、今回の選挙の結果は結果として受け止めるとして、最後にどうしてもお伝えしなければいけないことがあります。
選挙結果にも重大な影響を及ぼした可能性のある行為があった、しかもそれは、現職の鶴岡市役所の幹部職員、具体的には部長級職員Aや同Bなどが関与し、組織的に特定候補(今回当選された候補)への投票を呼び掛けていた、地方公務員には許されない行為があったことを把握致しました。
具体的な証拠があります。市長選挙3日目の9月30日(火)、勤務時間帯の午前10時26分、幹部Aから現職の市役所職員に対し、LINEを使って、「某党の調査では、現在、現職が僅か優勢とのこと、ご家族、一族郎党から知り合いへの声掛けなどで全力を尽くしましょう!」、「最後に勝ちましょう!!」との投票依頼が、今回当選された候補の街頭演説や個人演説会のスケジュールを添付して送信されていたのです。
もう一つ、組織ぐるみを疑わせる極めて不自然な文章が、勤務時間中の公用メールで送信されていたことが分かっています。選挙戦5日目の10月2日(木)午後2時8分、幹部Bから全部長級職員に対し、「来週以降に備えて」という選挙の結果を踏まえた対応を連絡する庁内メールにおいて、「追伸 世間は自分が思うより案外無関心で冷たい けれど一声かければ違うかもしれない だから悔いのないよう、やれることをやってみる 作者不詳」と送信されていました。このメール中、市長が「変わらない場合」は、「あれはどうなっている。この1週間は何をしていたのだ?とのレク連発となる。」と、私を侮辱するような記載があることも見逃せません。
幹部A、幹部Bの行為は、いずれも選挙期間中の市役所の勤務時間中の時間帯に送信、行われていました。神聖な市民の選択の機会である市長選挙において、選挙結果にも影響を及ぼしたであろう行為を、現職の鶴岡市役所の幹部職員が行っていた、これからの公正な選挙と鶴岡市の未来のためにも、私は見逃すことができないと判断しました。二度とこの様なことが繰り返されるべきではありません。
異常な選挙戦でした。振り返れば、選挙前から、怪文書が複数飛び交い、その中には「市職員OB有志の会」なるものが作成した文書があり、9月定例会では、この内容を引用したと思われる質疑が最大会派創政クラブから行われ、その後、政務活動費を使った「創政クラブだより」として配布されました。9月20日(土)の午後には、鶴岡市勤労者会館に元市長、創政クラブ所属市議を含む市役所OBが集まっていたことが分かっており、その際の使用名義はなぜか鶴岡商工会議所となっていました。
幹部Aは、8月19日(火)20時13分に作成者「市職員OB有志の会」と入る前の文書を添付し、同20時15分に現職の市役所職員に対し、LINEを使って、「一族郎党、友人知人に拡散よろしくお願いいたします」と送信していました。同じく幹部Aは、9月1日(月)22時57分にも、今回当選された候補の動画を「拡散してねー!とのこと」と送信し、9月29日(月)には、今回当選された候補の個人演説会に参加しており、前述の9月30日のLINEでの現職公務員への働きかけと併せて考えれば、虚偽の情報を含む文書の送信行為には、現職候補である私への落選運動の意図があったものと思われます。
鶴岡市役所は、多様な市民の声を聴き、課題を把握し、相手によって差別しない、排除しない、公正性を担保する、そんな当たり前の組織であるべきです。率先垂範すべき幹部職員が、一部のOB職員や特定の政党をバックとする政治家と結びつき、組織ぐるみで地方公務員法や公職選挙法に抵触していたのであれば、大変残念ですが、警察、司法の裁きを受けなければなりません。法を守るべき地方公務員の行為によって選挙結果が歪められるようなことは決して許されるべきではありません。
以上をもって、10月22日までが2期目の任期の鶴岡市長としての最後の責任を果たす告発とし、不偏不党の市役所への原点回帰、鶴岡市の発展を切に願って筆をおきます。
令和7年10月7日
皆川 治



